<松原工房>マグカップ トルコブルー

マグカップというのは比較的歴史の新しい器形です。

ハンドルのついたカップそのものは大昔からあり、
ソーサーとセットになってさまざまな製品が作られてきました。
西洋の食器ブランドではカップ &ソーサーというのは
そのブランドのベンチマークとも言えます。

対してソーサーのないストンとしたマグ(英語ではmug.カップはつきません)は
1920年頃、大量消費社会とともに現れたもので
日本においては戦後、ライフスタイルの西洋化とともにやってきました。
それまではザ・湯のみです。湯のみ。

1950年代〜60年代、アメリカの風とともに
マグカップはやってきたのですから、それはとてもカジュアルなものです。
陶器製造の現場においても大量生産に乗り出した頃と一致しますので
初めから機械による製造でした。
わざわざろくろで作る人はいません。

ですがマグはわずかな支点で
液体の入った器を持ち上げる、という難しい器です。
微妙なバランスを自分たちで作ってみたい。
きっと手ろくろでもできるはず。
いや、手ろくろだからこそ気持ちの良いマグが作れるはず。
しかし機械生産の盛んな肥前地区(有田・波佐見)では
マグを手作りしている方になかなか出会えませんでした。

そこで
2011年に手ろくろですべての生地を作る
愛媛県砥部焼の窯元を訪ねました。
砥部焼のろくろ師さんは惜しみなく
ご存知のことを私たちに教えてくれ、
翌年、このカップを完成することができました。

マグはリュックサックと同じで、
重心のかかるところと
かからないところに上手く重さを分散させないと
指が痛くなったり、重すぎたり、浮いたような感じになります。

何度も試作を重ね、たくさんたくさん作る中で
持ちやすく、飲みやすいマグができたと自負しています。
最初はトルコブルーのカラーで選んでくださった方が
持ちやすさでリピートしてくださるたび、
心の中でガッツポーズをしていました。

私たちに技術を教えてくれた
砥部焼のろくろ師さんと
松原工房のろくろ師太田さんは
その後2人とも一級技能士と伝統工芸士に認定されました。
けれど技術に終わりはないぞよ。
いつかこれよりももっといいものが作れますように。


直径 約8.5cm
容量(満量)220cc

ろくろ成型・マット
電子レンジ可・食洗機可・オーブン不可

手づくりのため、多少の個体差があります。
トルコブルーの釉薬の特質上、
結晶の様なキラキラや小さなクレーター粒が出ていることがありますが、
使用には問題ありません。景色としてお楽しみください。
販売価格 3,996円
在庫数 売り切れました
SOLD OUT

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